【2023年6月】尼崎市 一戸建て(空き家)売却相場・動向レポート
2023年6月更新版の、尼崎市の一戸建て(空き家)売却相場の最新動向についてまとめたページです。
1.尼崎市 5月の売却相場・動向の概要
尼崎市における、5月度の一戸建て(空き家)売却相場・動向データを解析して導き出した、主なトピックは以下です。
項目 | 2023年5月 概要 |
---|---|
売り時か? | 売り時です |
売却相場 (仲介) |
3,481万円 |
売却相場 (買取) |
2,437万円 |
価格動向 | 約29.5%上昇 |
取引件数 | 11件 |
売りやすい立地・条件 | 駅徒歩15分圏内で100㎡以下 |
2.尼崎市 売却価格と売りやすい立地・条件の推移の分析
尼崎市の一戸建て(空き家)売却価格相場・動向の全体感の推移を分析してみました。
結果、平均的な価格のものから少し高額な物件まで幅広い取引があり、様々なタイプの物件に引き合いがあって売り易いという意味で、売り時と言えます。
加えて、売りすいマンションの立地条件も特段大きな変化はなく、安定した状況です。
2-1.尼崎市で取引された一戸建て(空き家)のここ半年の売却(販売)価格相場推移の分析
ここ半年の売却(販売)価格相場の推移について月単位のグラフで整理しました。
5月は半年前に比べて価格が約19.6%上昇、先月比で約29.5%上昇しています。
詳しく述べると、尼崎市の一戸建てはここ半年間平均的に土地面積は約89㎡、建物面積は約99㎡を中心に取引されています。
12月、1月、5月は「土地面積、建物面積が平均よりも広い物件」や「築年数が浅い物件」の取引が増えたため、グラフが上に振れました。
一方、2月、3月、4月の売却価格相場が下がった理由はそれぞれ異なった特徴があります。
・2月:「土地面積、建物面積が平均よりも狭い物件」や「築年数が古い物件」の取引が増えた
・3月:「建物面積が平均よりも狭い物件」や「築年数が古い物件」の取引が増えた
・4月:「土地面積が平均よりも著しく狭い物件」の取引が増えた
これらの理由から12月、1月、5月と比べグラフが大きく下がっています。
このグラフからは読み取れませんが、5月に取引された物件の売却価格相場は前年同時期と比べ約34.2%上昇していて中長期的に上昇傾向にあり、細かなグラフの上下は「様々な条件の物件が幅広く売れている」という事を示していると考えられます。
2-2.尼崎市で売りやすい一戸建て(空き家)の立地・条件の推移の分析
尼崎市のデータから売れ筋の一戸建ての立地・条件のデータだけを集めて、ここ半年とその前の半年間の条件を比較し、動向の推移をまとめました。
若干変動があるものの、売りやすい一戸建ての立地・条件に特に大きな変化はないと言えます。
特に5月は、駅徒歩15分圏内で100㎡以下の一戸建てに需要がありました。
立地・ 条件 |
ここ半年 | その前の 半年間 |
差 |
---|---|---|---|
駅徒歩 (平均) |
13.1分 | 12.8分 | 0.28分 |
広さ (平均) |
99.09㎡ | 103.57㎡ | -4.48㎡(-4.3%) |
最寄駅 | 園田/立花 | 武庫之荘/立花 | - |
参照:国土交通省 土地総合情報システム
参照:レインズ
3.尼崎市 5月の売却相場・動向の解説
ここでは、5月の一戸建て(空き家)売却相場・動向を解説し、更に、それに基づいて今後の動きについて予測します。
以下3つのポイントを軸に、5月の一戸建て売却相場・動向について解説します。
- 先月比で売却相場は約34.2%上昇。
- 「3LDK/3,000万円以下」の物件取引が活発です。
- 上ノ島町の物件をお探しの方がいらっしゃいます!
3-1.売却価格の動向を解説
先月と比べ、平均売却価格は約34.2%上昇しています。
5月と4月の売却価格、㎡単価、専有面積、築年数は下記の通りです。
比較軸 | 5月 | 4月 |
---|---|---|
売却価格 | 3,481万円 | 2,688万円 |
土地面積 | 101.96㎡ | 78.48㎡ |
建物面積 | 102.78㎡ | 99.31㎡ |
築年数 | 23.03年 | 19年 |
5月と4月を比較すると、土地面積と築年数に特徴があります。
5月は先述の通り「土地面積、建物面積が平均よりも広い物件」や「築年数が浅い物件」の取引が増えたため、4月と比べ平均売却価格が約34.2%上昇しました。中でも、土地面積は約23.5㎡程度4月のほうが狭くなっており、価格差を押し広げた要因となりました。
5月と4月の築年数だけ比べると5月は築年数が古く見えますが、ここ半年間で取引された中古一戸建ての平均築年数は約24年となっており、5月も4月も「築年数が浅い物件」の取引が増えたと考えてよいでしょう。
5月の結果は、狭い物件から広い物件まで、さまざまなタイプの物件取引が行われていることを示していると言えます。
また長期目線からの、市場の地合いを解説します。
尼崎市は大阪・京都・奈良方面へアクセスがしやすく、その利便性の良さから働き世代・子育て世代からの支持を集めている地域です。
「穴場だと思う街(駅)ランキング」では、2年連続JR尼崎駅が交通の利便性から第1位にランクインしている他、同ランキング5位以内までを尼崎市内の3駅が選ばれています。また、「住みたい自治体ランキング<年代別>」では、20代が選ぶ自治体で過去最高の第18位にランクインするなど、注目度の高さがうかがえます。(「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版)
また、尼崎市は2021年度より「駅前ブランディング」に乗りだし、2023年4月には官民一体となり阪神尼崎駅前を再開発する企画を締結するなどここ最近の再開発によるブランド力向上で、積極的に尼崎に住みたいという方が根強く存在します。
実際に「令和2年国勢調査」では、前回の平成27年の調査と比較して尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市の中で、尼崎市が最も人口が増えている地域となりました。
そのため、多少高くても良い物件であれば買いたいという意欲の高い買い主が多くいます。
以上のことから、尼崎市の一戸建てに対する人気が根強く継続的にある事を背景に、売りやすく、高値売却の可能性がある状況であることから「売り時」と判断しています。
今は堅調でも更に先の将来を考えると、全国的な人口減等の影響で売却価格相場が下がる可能性もある事から、利用せずに「保有」しているだけの状況の方は「売却」も慎重に検討してみてください。
参照:尼崎市「令和2年国勢調査」
株式会社リクルート「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」
尼崎市・阪神電気鉄道株式会社・阪急阪神不動産株式会社「阪神尼崎駅前 中央公園のリニューアルを実施します」
3-2.取引された一戸建て(空き家)の立地・条件の動向を解説
弊社が把握している、尼崎市内で取引された一戸建て(空き家)の立地・条件を分析すると、特に武庫之荘駅・園田駅を最寄りとする80~100㎡の3LDKで、比較的手ごろな3,000万円以下の、駅徒歩15分圏内に位置する物件が人気でした。
尼崎市は交通アクセスの便利さが大きな魅力を持つ街なので、駅徒歩は15分圏内が望まれる傾向です。
売却にかかる期間も特に6ヵ月以内が多く、取引はやや活発に行われていることがわかります。
最寄り駅 | |
---|---|
武庫之荘駅周辺 | 4件 |
園田駅周辺 | 4件 |
立花駅周辺 | 3件 |
間取り | |
---|---|
3LDK以下 | 7件 |
4LDK | 4件 |
駅徒歩 | |
---|---|
10分圏内 | 4件 |
15分圏内 | 6件 |
15分圏外 | 1件 |
建物面積 | |
---|---|
80㎡未満 | 5件 |
80㎡以上 | 6件 |
売却価格 | |
---|---|
~3,000万円 | 6件 |
~4,000万円 | 4件 |
5,000万円以上 | 1件 |
売却期間 | |
---|---|
~3ヵ月 | 3件 |
~6ヵ月 | 7件 |
~12ヵ月 | 1件 |
3-3.尼崎市で一戸建て(空き家)をお探しのお客様の事例
尼崎市で一戸建て(空き家)をお探しのお客様の事例を1つご紹介します。実際のニーズから売却相場の動向を具体的にイメージしてください。
お探しの条件
予算 | 2,500万円程度 |
---|---|
築年 | 25年以内 |
地域 | 上ノ島町 |
間取り | 4LDK |
駅徒歩 | 武庫之荘駅15分圏内 |
お客様情報:県外からの引っ越しを機に、「武庫之荘駅」周辺の物件をお探しです。お子さまがふたりいらっしゃるため、4LDKをご希望です。
武庫之荘駅は、神戸三宮駅まで電車で約2分、梅田駅まで約15分と利便性の良さから人気のある地域です。
コンビニやスーパーといった商業施設や公園などの施設も多くあり、生活のしやすさも評価されています。
また、武庫之荘駅から徒歩15分圏内にある上ノ島町エリアは、「尼崎市立立花中学校」や「尼崎市立尼崎高等学校」といった教育施設もあり、ファミリー層からの人気も高いです。
上ノ島町エリアをはじめ、武庫之荘駅周辺の㎡単価は約26~32万円程の価格となっており、尼崎市全体の㎡単価約25~31万円程と比べても大きく乖離しておらず、価格帯の問題から買い手が付きにくいと言ったことはあまり考えられないでしょう。
4.尼崎市 これからの売却相場・動向の予測
詳細解説
- 武庫之荘駅と立花駅周辺は人気のエリアなので、今後しばらくは、多少条件(駅徒歩圏外・築古 等)が悪くても、売却できる可能性が高いです。
- 1,000万円以下の戸建てと3,000万円台の戸建ての取引は、引き続き強い引き合いが続くでしょう。
- 武庫之荘地区は尼崎市内の他の地区と比べて30~40代の子育て世代が多いため、駅徒歩が遠くても公園が近いなどの利点があれば高値がつく可能性があります。
- 立花・園田駅は30~50㎡など狭い土地もよく売れています。近年狭小住宅は若者を中心に一定の人気があり、尼崎市は再開発により好調にイメージアップがされていることから今後も若い世代の流入はあると見込まれるので、この傾向は続くでしょう。
関連記事
※本記事は、不動産流通機構、市役所等から発行されてる公的な資料、弊社およびその取引先より聴取した内容をもとに、弊社社員の見解をレポートしたものです。現在および将来の動向について約束するものではありませんので、ご理解の程、宜しくお願いします。