【2023年6月】尼崎市 マンション売却相場・動向レポート

2-1.尼崎市で取引されたマンションのここ半年の売却（販売）価格相場推移の分析

ここ半年の売却（販売）価格相場の推移について月単位のグラフで整理しました。

5月は半年前に比べて価格が約16.5%下降、先月比で約11.7%下降しています。

詳しく述べると、尼崎市のマンションはここ半年間平均的に、㎡単価約39万円程度で取引されていましたが、12月、1月にはそれを上回る㎡単価が約42万円程度の、築年数の浅い比較的高めの物件の取引が増加したことで、平均売却価格が押し上がりグラフが上に振れていました。
また特に、1月はここ半年の中で最も築年数が浅い物件が取引されたため、売却価格相場が最高値でした。

一方、2月、5月の売却価格相場が下落している理由は、3月、4月と比べても「比較的㎡単価が低く、築年数が古い物件」が多く取引されたためです。

このグラフからは読み取れませんが、取引件数自体は微増で市況は活発といえます。従って、5月の下落は市況の落ち込みを示すものではなく、逆に「幅広い価格帯の物件が売れている（物件が売りやすい）」という事を示していると考えられます。

2-2.尼崎市で売りやすいマンションの立地・条件の推移の分析

尼崎市のデータから売れ筋のマンションの立地・条件のデータだけを集めて、ここ半年とその前の半年間の条件を比較し、動向の推移をまとめました。

若干変動があるものの、売り易いマンションの立地・条件に特に大きな変化はないと言えます。
特に5月は、2,000万円台で駅徒歩10分圏内の３LDKマンションに需要がありました。

参照：国土交通省 土地総合情報システム
参照：レインズ

以下3つのポイントを軸に、5月のマンション売却相場・動向について解説します。

3-1.売却価格の動向を解説

先月比で平均売却価格は約11.7%下降しました。

5月と4月の売却価格、㎡単価、専有面積、築年数は下記の通りです。

5月と4月を比較すると、㎡単価と築年数に特徴があります。
5月は「㎡単価が低い、築年数が古い物件」が多く取引されました。そのため、4月と5月の平均専有面積がほぼ横ばいにもかかわらず、5月の取引価格が約319万円下がった結果となりました。

ただ先述した通り、マンションの価値が下落している訳ではなく「幅広い価格帯の物件が売れている（物件が売りやすい）」という事を示していると言えます。

また長期目線からの、市場の地合いを解説します。
尼崎市は大阪・京都・奈良方面へアクセスがしやすく、その利便性の良さから働き世代・子育て世代からの支持を集めている地域です。
「穴場だと思う街(駅)ランキング」では、2年連続JR尼崎駅が交通の利便性から第1位にランクインしている他、同ランキング5位以内までを尼崎市内の3駅が選ばれています。
また、「住みたい自治体ランキング＜年代別＞」では、20代が選ぶ自治体で過去最高の第18位にランクインするなど、注目度の高さがうかがえます。（「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」）

加えて、尼崎市は2021年度より「駅前ブランディング」に乗りだし、2023年4月には官民一体となり阪神尼崎駅前を再開発する企画を締結するなど、ここ最近の再開発によるブランド力向上で、積極的に尼崎に住みたいという方が根強く存在します。
実際に「令和2年国勢調査」では、前回の平成27年の調査と比較して尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市の中で、尼崎市が最も人口が増えている地域となりました。
そのため、多少高くても良い物件であれば買いたいという意欲の高い買い主がいます。

以上のことから、尼崎市のマンション需要は根強く継続的にあり、幅広い立地・条件のマンションが売りやすいので、現時点では「売り時」と判断しています。

今は堅調でも更に先の将来を考えると、全国的な人口減等の影響で売却価格相場が下がる可能性もある事から、利用せずに「保有」しているだけの状況の方は「売却」も慎重に検討してみてください。

参照：尼崎市「令和2年国勢調査」
株式会社リクルート「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」
尼崎市・阪神電気鉄道株式会社・阪急阪神不動産株式会社「阪神尼崎駅前 中央公園のリニューアルを実施します」

3-2.取引されたマンションの立地・条件の動向を解説

弊社が把握している、尼崎市内で取引されたマンションの立地・条件を分析すると、特に尼崎駅・武庫之荘駅を最寄りとする80㎡程度の3LDKで、価格帯は手ごろな3,000万円以下、駅徒歩は10分圏内に位置する物件が人気でした。

尼崎市は、近年再開発のイメージアップによって便利な交通アクセスと住みやすさが広く宣伝され、20歳代を中心に若者が多く流入しています。安く駅近のマンションは彼らが求める尼崎のイメージにぴったり符合するため、売れ行きが良い傾向です。

売却にかかる期間も特に6ヵ月以内が多く、買い手がつきやすい傾向にあるものの、立地・条件によっては売却まで1年近くかかるケースもあります。

3-3.尼崎市でマンションをお探しのお客様の事例

尼崎市でマンションをお探しのお客様の事例を1つご紹介します。実際のニーズから売却相場の動向を具体的にイメージしてください。

４.尼崎市　これからの売却相場・動向の予測

詳細解説

• 特に塚口駅周辺のマンションは注目されています。この傾向はより強まっていくでしょう。
• 現在取引されている物件は築30年に満たないものが多いですが、安い物件を求めている若年層が流入し続けているので、これからは築30年以上でも価格さえ安ければ十分な引き合いがある可能性があります。
• 成約したマンションの最寄り駅はほとんどが阪神尼崎駅、JR尼崎駅、武庫之荘に偏っており、相場を上回る高額がつきやすいのもこの付近となっています。これからは塚口でも高額がつきやすくなってくる可能性があります。
• 現在人気のマンションは駅徒歩10分圏内です。しかし良い条件の物件がなくなりつつあるので、これからは駅徒歩20分程度までの物件も売れやすくなるかもしれません。