【2023年5月】伊丹市 マンション売却相場・動向レポート
2023年5月更新版の、伊丹市のマンション売却相場の最新動向についてまとめたページです。
1.伊丹市 マンション売却相場・動向 概要
伊丹市における、4月度のマンション売却相場・動向データを解析して導き出した、主なトピックは以下です。
項目 | 2023年4月 概要 |
---|---|
売り時か? | 売り時です |
売却相場 (仲介) |
2,299万円 |
売却相場 (買取) |
1,609万円 |
価格動向 | 約20.6%下降 |
取引件数 | 14件 |
売れやすい特徴 | 駅徒歩10分圏内の3LDK |
2.伊丹市 マンション売却価格相場・動向の推移 概要
伊丹市のマンション売却価格相場・動向の全体感の推移を掴みやすい様に、わかりやすく表にまとめました。
結論、平均的な価格のものから少し高額な物件まで幅広い取引があり、様々なタイプの物件に引き合いがあって売り易いという意味で、売り時と言えます。
また売れやすいマンションの立地条件も特段大きな変化はなく、安定した状況です。
2-1.伊丹市で取引されたマンションのここ半年の売却(販売)価格相場推移
ここ半年の売却(販売)価格相場の推移について月単位のグラフで整理しました。半年前に比べて価格が約1%上昇、先月比で約20.6%下降しています。
1月、3月と比べ売却価格相場が大きく下落している様に見えますが、様々なタイプの物件が売れた結果に基づくもののため、深刻に捉える必要はありません。
伊丹市では、概ね㎡単価が平均約35万円程度のマンションを中心に取引されていますが、引っ越しシーズンの1月と3月にそれを上回る㎡単価のマンションが多く売れたので、平均売却価格が押し上がりグラフが上に振れています。中でも、1月はここ半年で売却価格相場が最も高くなりました。これは築年数15年以内の比較的新しい物件が多く取引された影響によるものです。
一方、2月と4月の売却価格相場が下落している理由は、平均と比べて「㎡単価が低い物件」が多く取引されたものによります。
このグラフからは読み取れませんが、取引された物件数は微増傾向を示しており、この下落は市況の落ち込みを示すものではなく逆に「様々なタイプの物件が売れている」という事を示していると考えられます。
2-2.伊丹市で売れるマンションの立地・条件の動向
伊丹市のデータから売れ筋のマンションの立地・条件のデータだけを集めて、ここ半年とその前の半年間の条件を比較し、動向の推移をまとめました。
若干変動があるものの、状況に特に大きな変化はないと言えます。
特に4月は、2,000万円台で駅徒歩10分圏内の3LDKマンションに需要がありました。
立地・ 条件 |
ここ半年 | その前の 半年間 |
差 |
---|---|---|---|
駅徒歩 (平均) |
10.8分 | 12.1分 | -1.36分 |
広さ (平均) |
70.70㎡ | 69.93㎡ | 0.77㎡(1.1%) |
最寄駅 | 伊丹(阪急)/伊丹(JR) | 伊丹(阪急)/伊丹(JR) | - |
参照:国土交通省 土地総合情報システム
参照:レインズ
3.伊丹市のマンション売却相場・動向の解説と予測
ここでは、4月のマンション売却相場・動向を解説し、更に、それに基づいて今後の動きについて予測します。
3-1.4月のマンション売却相場・動向の解説
以下3つのポイントを軸に、4月の一マンション売却相場・動向について解説します。
- 先月比で成約件数は約16.7%上昇、取引価格は約20.6%下降しています。
- 「3LDK/2,000万円台/駅徒歩10分圏内」の物件取引が活発です。
- 平松か南町にある物件をお探しの方がいらっしゃいます!
3-1-1.成約件数・売却価格
成約件数が14件と先月より微増しつつも取引価格が下降した要因は、㎡単価が先月に比べ大きく下落したことが考えられます。
これは、狭い物件から広い物件まで、さまざまなタイプの物件取引が行われたためです。
実際に3月と4月に売却された物件の中身を比較すると、専有面積・築年数はほぼ変わりませんが、3月の㎡単価は約41.59万円、4月の㎡単価は約32.18万円と10万円近い差が出てます。
3月は引っ越しシーズンと重なり、通勤・通学に便利な駅徒歩10分以内の㎡単価が高い物件が取引されやすい傾向にあります。一方、4月は㎡単価が低い「駅徒歩10分圏外の物件」の取引が活発で、「駅からやや離れている価格を抑えた物件」の需要が高まりました。ゆえに㎡単価が下落しているのです。
また、特に「2,000万円以内の物件」の人気が高いです。
更に、ここ1年の平均売却価格相場は約2,495万円で、4月の売却価格相場は訳2,299万円と若干値下がりしているように見えますが、8月と1月の平均売却価格が3,000万円を超えた事により全体的な平均が底上げされた結果なので、4月の売却価格相場は通常の価格変動範囲内にあるといえるでしょう。
また、成約件数は今年に入り上昇傾向にあります。
1月~4月の平均成約件数は11件ですが、4月はそれを超えた14件の取引があり、取引はやや活発といえます。
伊丹市は大阪府の中心である梅田や、兵庫県の中心である西宮北口へのアクセスがしやすく、利便性が評価されている地域です。「本当に住みやすい街大賞2022 in 関西」において、伊丹(阪急伊丹線)は第7位にランクインしており、注目度の高さがうかがえます。
実際に「令和2年国勢調査」において全国的に人口が減少している中、市外からの転入者が多く前回の調査と比較し0.64%人口が増加しています。そのため、引き合いは多いと考えられます。
その他、災害に備えた環境作りにおいても伊丹市は注目されています。
昨今、地震や水害など災害対策を各市町村が整える中で、伊丹市は土木費に予算全体の約7.3%を割いています。近隣の豊中市の約7.1%と比べ、僅かですが土木費に多く予算を割いており、「災害に備えた環境作り」への取り組みが積極的であることを示しています。
全体で振り返ると、4月の売却価格相場が下落した理由は「駅から少し遠い、㎡単価の安い物件」の取引が多かっただけなので、利便性の良さの他、「災害に備えた環境作り」等の取り組みを見るに市場は底堅く推移すると考えられます。
以上のことから、伊丹市のマンション需要は堅調で値崩れなく、幅広い立地・条件のマンションが売り易い時期なので、現時点では「売り時」と判断しています。
参照:伊丹市「令和2年国勢調査結果が公表されました」
アルヒ株式会社「本当に住みたい街2022 in 関西」
伊丹市「令和5年度(2023年度)6月補正予算(案)の概要(令和4年度(2022年度)3月補正予算(専決処分)を含む)」
豊中市「令和5年度予算書・予算説明書」
3-1-2.取引されたマンションの立地・条件の解説
弊社が把握している、伊丹市内で取引されたマンション立地・条件を分析すると、特にJR伊丹駅を最寄りとする70㎡程度の3LDKで、安価な2,000万円以下の、駅徒歩10分圏内に位置する物件が人気でした。
最寄り駅 | |
---|---|
阪急伊丹駅周辺 | 5件 |
JR伊丹駅周辺 | 7件 |
塚口 | 2件 |
間取り | |
---|---|
2LDK | 3件 |
3LDK | 10件 |
4LDK | 1件 |
駅徒歩 | |
---|---|
10分圏内 | 9件 |
15分圏内 | 4件 |
15分圏外 | 1件 |
専有面積 | |
---|---|
~70㎡ | 9件 |
~80㎡ | 5件 |
売却価格 | |
---|---|
~2,000万円 | 8件 |
~3,000万円 | 5件 |
4,000万円以上 | 1件 |
売却期間 | |
---|---|
~3ヵ月 | 7件 |
~6ヵ月 | 7件 |
3-1-3.伊丹市でマンションをお探しのお客様の事例
伊丹市でマンションをお探しのお客様の事例を1つご紹介します。実際のニーズから売却相場の動向を具体的にイメージしてください。
お探しの条件
予算 | 2,700万円まで |
---|---|
築年 | 25年以内 |
地域 | 伊丹 |
間取り | 3LDK |
駅徒歩 | 伊丹駅徒歩15分圏内 |
お客様情報:市内の賃貸にお住まいの方が、「伊丹」駅周辺のマンションへの住み替えを希望しています。3人家族でお住まいの予定で、3LDK以上、70㎡以上をご希望です。
伊丹市はJR線と阪急線が通っており、兵庫県内・大阪府・京都府など、多方面へアクセスがしやすいことが評価されている地域です。
また大阪国際空港(伊丹空港)まで、伊丹駅から電車で約35分と空の移動がしやすいことも特徴のひとつです。
伊丹市内の人口推移を見ると、40~50代の層が多く、ある程度子育てが落ち着いてから住み替えを選ぶ層ともマッチしています。
また、伊丹駅周辺には大型ショッピングモールもあり買い物のしやすさも評価され、ファミリー層からの人気も高いです。
今回の事例で希望されている伊丹駅周辺と、伊丹市内で他にも取引がある塚口駅周辺の価格帯を比較すると、伊丹駅周辺は㎡単価が約30~40万円、塚口駅周辺は約35~45万円となり、若干伊丹駅周辺のほうが予算内に収めやすい傾向にあると考えられます。
3-2.これからの推移の予測
詳細解説
- 伊丹市のマンションは最寄り駅徒歩10分圏内の物件は需要が高いままでしょう。ただし、伊丹市全体では比較的価格を抑えた2,000万円以内のマンションの人気が高いため、価格との兼ね合いで駅徒歩10分圏外の物件も売れる傾向にあります。
- 特に2,000万円台のマンションの引き合いが強いですが、引っ越しシーズンなどには㎡単価の高い物件も取引がされています。
- 阪急伊丹駅に近いエリアにある西台では、特に築20年以内の新築のマンションに注目が集まってます。今後もその動向は続くでしょう。一方で、築25年以上の物件の取引もあるため、駅から近い、商業施設が近いなど、付加価値の有無によってはある程度築年数が経過した物件でも買い手がつくでしょう。
- 徒歩で行ける範囲にイオンモールのある1、3丁目、幼稚園と小学校がまとまっている4丁目の相場が高くなる傾向にあるでしょう。
関連記事
※本記事は、不動産流通機構、市役所等から発行されてる公的な資料、弊社およびその取引先より聴取した内容をもとに、弊社社員の見解をレポートしたものです。現在および将来の動向について約束するものではありませんので、ご理解の程、宜しくお願いします。