【2023年6月】伊丹市 マンション売却相場・動向レポート
2023年6月更新版の、伊丹市のマンション売却相場の最新動向についてまとめたページです。
1.伊丹市 5月の売却相場・動向の概要
伊丹市における、5月度のマンション売却相場・動向データを解析して導き出した、主なトピックは以下です。
項目 | 2023年5月 概要 |
---|---|
売り時か? | 売り時です |
売却相場 (仲介) |
2,687万円 |
売却相場 (買取) |
1,881万円 |
価格動向 | 約16.9%上昇 |
取引件数 | 21件 |
売りやすい立地・条件 | 駅徒歩10分圏内の3LDK |
2.伊丹市 売却価格と売りやすい立地・条件の推移の分析
伊丹市のマンション売却価格相場・動向の全体感の推移を分析してみました。
結論、平均的な価格のものから少し高額な物件まで幅広い取引があり、様々なタイプの物件に引き合いがあって売り易いという意味で、売り時と言えます。
加えて、売りやすいマンションの立地条件も特段大きな変化はなく、安定した状況です。
2-1.伊丹市で取引されたマンションのここ半年の売却(販売)価格相場推移の分析
ここ半年の売却(販売)価格相場の推移について月単位のグラフで整理しました。
5月は半年前に比べて価格が約22.1%上昇、先月比で約16.9%上昇しています。
1月、3月と比べ売却価格相場が下がっている様に見えますが、ここ1年間の平均売却価格と同程度の価格であり、深刻に捉える必要はありません。
詳しく述べると、伊丹市のマンションはここ半年間、平均的に㎡単価約38万円程度で取引されていましたが、引っ越しシーズンの1月はそれを上回る㎡単価が48万円程度の、築年数の浅い比較的高めの物件や駅から近い物件の取引が増加したことで、平均売却価格が押し上がりグラフが上に振れています。
一方、2月と4月の売却価格相場が下落している理由は、平均と比べて「㎡単価が低い物件」が多く取引されたものによります。
5月は「㎡単価が平均的な水準に近い物件」が多く取引されたものの、ここ半年の中で最も「専有面積が広い物件」が取引されたため、2月や4月と比べグラフがやや上に振れました。
また、このグラフからは読み取れませんが、取引された物件数は微増傾向を示していて市況自体は活発であり、1月よりも相場が下がっているのは市況の落ち込みを示すものではなく、逆に「幅広い価格帯の物件が売れている」という事を示していると考えられます。
2-2.伊丹市で売りやすいマンションの立地・条件の推移の分析
伊丹市のデータから売れ筋のマンションの立地・条件のデータだけを集めて、ここ半年とその前の半年間の条件を比較し、動向の推移をまとめました。
若干変動があるものの、売りやすいマンションの立地・条件に特に大きな変化はないと言えます。
また、5月に売りやすかった物件の特徴を具体的に述べると、駅徒歩10分圏内で2,000万円台の3LDKマンションに需要がありました。
立地・ 条件 |
ここ半年 | その前の 半年間 |
差 |
---|---|---|---|
駅徒歩 (平均) |
10.8分 | 12.1分 | -1.36分 |
広さ (平均) |
70.57㎡ | 70.58㎡ | -0.01㎡(0.0%) |
最寄駅 | 伊丹(阪急)/伊丹(JR) | 伊丹(阪急)/伊丹(JR) | - |
参照:国土交通省 土地総合情報システム
参照:レインズ
3.伊丹市 5月の売却相場・動向の解説
ここでは、5月のマンション売却相場・動向を解説し、更に、それに基づいて今後の動きについて予測します。
以下3つのポイントを軸に、5月のマンション売却相場・動向について解説します。
- 先月比で売却価格は約16.9%上昇しています。
- 「3LDK/2,000万円台/駅徒歩10分圏内」の物件取引が活発です。
- 北本町にある物件をお探しの方がいらっしゃいます!
3-1.売却価格の動向を解説
先月比で平均売却価格は約16.9%上昇しています。
5月と4月の売却価格、㎡単価、専有面積、築年数は下記の通りです。
比較軸 | 5月 | 4月 |
---|---|---|
売却価格 | 2,687万円 | 2,299万円 |
㎡単価 | 36.61万円 | 21.18万円 |
専有面積 | 73.38㎡ | 71.43㎡ |
築年数 | 25.09年 | 27.04年 |
5月と4月を比較すると、㎡単価と専有面積に特徴があります。
4月は「㎡単価が低く、築年数の古い物件」の取引が多かったことに比べ、5月は「㎡単価が平均的な水準に近い物件」や「専有面積が広い物件」が多く取引されました。そのため、5月の取引価格が4月を上回ったと言えます。
伊丹市では様々な立地・条件のマンションが売れていて、その月に売れたマンションのタイプによって相場が細かく上下しています。
従って、相場の上下は価値の上下を示すものではなく、売れたマンションのタイプが違うことを示すものになります。
また長期目線からの、市場の地合いを解説します。
伊丹市は大阪府の中心である梅田や、兵庫県の中心である西宮北口へのアクセスがしやすく、利便性が評価されている地域です。「本当に住みやすい街大賞2022 in 関西」において、伊丹(阪急伊丹線)は第7位にランクインしており、注目度の高さがうかがえます。
実際に「令和2年国勢調査」において全国的に人口が減少している中、市外からの転入者が多く前回の調査と比較し0.64%人口が増加しています。
また、伊丹市が公表している「推計人口 令和5年(2023年)」を見ても、転入者数が転出者数を44人上回っています(6月1日現在)。これは、前月の調査の28人(5月1日現在)の倍近い数字であり、人気の高さがうかがえます。
その他、伊丹市は災害に備えた環境作りにおいても注目されています。
昨今、地震や水害など災害対策を各市町村が整える中で、伊丹市は土木費に予算全体の約7.3%を割いています。近隣の豊中市の約7.1%と比べ、僅かですが土木費に多く予算を割いており、「災害に備えた環境作り」への取り組みが積極的であることを示しており、こういったことも人気を中長期的に底堅く支える一因といえます。
以上のことから、伊丹市に対する人気は底堅く、幅広い立地・条件のマンションが売れていて値崩れもないので、現時点は「売り時」と判断しています。
今は堅調でも更に先の将来を考えると、全国的な人口減等の影響で売却価格相場が下がる可能性もある事から、利用せずに「保有」しているだけの状況の方は「売却」も慎重に検討してみてください。
参照:伊丹市「令和2年国勢調査結果が公表されました」
アルヒ株式会社「本当に住みたい街2022 in 関西」
伊丹市「推計人口 令和5年(2023年)」
伊丹市「令和5年度(2023年度)6月補正予算(案)の概要(令和4年度(2022年度)3月補正予算(専決処分)を含む)」
豊中市「令和5年度予算書・予算説明書」
3-2.取引されたマンションの立地・条件の動向を解説
弊社が把握している、伊丹市内で取引されたマンション立地・条件を分析すると、特に阪急伊丹駅を最寄りとする70㎡~80㎡程度の3LDKで、2,500万円以下の、駅徒歩10分圏内に位置する物件が人気でした。
また、4月と5月の専有面積を比較すると、4月は80㎡以上の取引がありませんでしたが、5月は80㎡以上の物件が3件取引がされており「4月よりも専有面積の広い物件」の取引が多くなっていることがうかがえます。
これが5月の売却価格相場が4月と比べやや上昇した要因とみています。
5月の売却価格はここ半年間の平均値から大きな変動はなく相場は堅調に推移していると考えられます。
「4,000万円以上の高額物件」も取引されており、安価な物件ばかりが売れている訳ではありません。
売却にかかる期間も特に3ヵ月以内が多く、取引が活発に行われていることがわかります。
最寄り駅 | |
---|---|
阪急伊丹駅周辺 | 10件 |
JR伊丹駅周辺 | 8件 |
新伊丹駅周辺 | 2件 |
北伊丹駅周辺 | 1件 |
間取り | |
---|---|
2LDK | 3件 |
3LDK | 14件 |
4LDK | 4件 |
駅徒歩 | |
---|---|
10分圏内 | 9件 |
15分圏内 | 8件 |
15分圏外 | 4件 |
専有面積 | |
---|---|
~70㎡ | 9件 |
~80㎡ | 9件 |
~90㎡ | 3件 |
売却価格 | |
---|---|
~2,000万円 | 9件 |
~3,000万円 | 11件 |
4,000万円以上 | 2件 |
売却期間 | |
---|---|
~3ヵ月 | 11件 |
~6ヵ月 | 10件 |
3-3.伊丹市でマンションをお探しのお客様の事例
伊丹市でマンションをお探しのお客様の事例を1つご紹介します。実際のニーズから売却相場の動向を具体的にイメージしてください。
お探しの条件
予算 | 3,000万円まで |
---|---|
築年 | 25年以内 |
地域 | 北本町 |
間取り | 3LDK |
駅徒歩 | 伊丹駅徒歩10分圏内 |
お客様情報:県外にお住まいの方が、「伊丹」駅周辺のマンションへ引っ越しを希望しています。お子さんが1人いらっしゃり、3LDK以上、75㎡以上をご希望です。
伊丹市はJR線と阪急線が通っており、兵庫県内・大阪府・京都府など、多方面へアクセスがしやすいことが評価されている地域です。
また大阪国際空港(伊丹空港)まで、伊丹駅から電車で約35分と空の移動がしやすいことも評価に繋がっています。
伊丹駅周辺には大型ショッピングモールもあり買い物のしやすさも評価され、ファミリー層からの人気も高いです。
今回の事例で希望されている北本町では、主に伊丹駅徒歩10分圏内のマンションが取引されていて、これは典型的によくあるニーズといえます。
詳細解説
- 伊丹市のマンションは最寄り駅徒歩10分圏内の物件は需要が高いままでしょう。ただし、伊丹市全体では比較的価格を抑えた2,000万円以内のマンションの人気が高いため、価格との兼ね合いで駅徒歩10分圏外の物件も売れる傾向にあります。
- 特に2,000万円台のマンションの引き合いが強いですが、引っ越しシーズンなどには㎡単価の高い物件も取引がされています。
- 阪急伊丹駅に近いエリアにある西台では、特に築20年以内の新築のマンションに注目が集まってます。今後もその動向は続くでしょう。一方で築25年以上の物件の取引もあるため、駅から近い、商業施設が近いなど、付加価値の有無によってはある程度築年数が経過した物件でも買い手がつくでしょう。
- 徒歩で行ける範囲にイオンモールのある1、3丁目、幼稚園と小学校がまとまっている4丁目の相場が高くなる傾向にあるでしょう。
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※本記事は、不動産流通機構、市役所等から発行されてる公的な資料、弊社およびその取引先より聴取した内容をもとに、弊社社員の見解をレポートしたものです。現在および将来の動向について約束するものではありませんので、ご理解の程、宜しくお願いします。