【2023年5月】豊中市 一戸建て（空き家）売却相場・動向レポート

2-1.豊中市で取引された一戸建てのここ半年の売却（販売）価格相場推移

ここ半年の売却（販売）価格相場の推移について月単位のグラフで整理しました。半年前に比べて価格が約22.2%下降、先月比で約30.4%下降しています。

1月～3月と比べ売却価格相場が大きく下落している様に見えますが、様々なタイプの物件が売れた結果に基づくもののため、深刻に捉える必要はありません。

豊中市では、概ね土地面積は平均約111㎡、建物面積は平均約109㎡の戸建てを中心に取引されています。
1月～3月は、土地面積・建物面積が平均よりも広い物件が多く売れたので、平均売却価格が押し上がりグラフが上に振れています。中でも3月は、ここ半年間でも土地面積・建物面積ともに最も広い物件が取引されたため、売却価格相場が5,059万円と最高値を記録しています。

一方で、4月は他の月と比べて「土地面積・建物面積ともに平均値よりも狭い物件」の人気が高く、ここ半年の中でグラフが最も低く振れました。
このグラフからは読み取れませんが、取引された物件数は微増傾向を示しており、この下落は市況の落ち込みを示すものではなく逆に「様々なタイプの物件が売れている」という事を示していると考えられます。

2-2.豊中市で売れる一戸建ての立地・条件の動向

豊中市のデータから売れ筋の一戸建ての立地・条件のデータだけを集めて、ここ半年とその前の半年間の条件を比較し、動向の推移をまとめました。
若干変動があるものの、状況に特に大きな変化はないと言えます。
特に4月は、駅徒歩15分圏内で110㎡以下の一戸建てに需要がありました。

参照：国土交通省 土地総合情報システム
参照：レインズ

3-1.4月の一戸建て売却相場・動向の解説

以下3つのポイントを軸に、4月の一戸建て売却相場・動向について解説します。

3-1-1.成約件数・売却価格

成約件数が先月を上回っていますが、取引価格は約42.4%下降しています。
先述の通り、4月は他の月と比べて「土地面積・建物面積ともに平均値よりも狭い物件」の人気が高く、売却価格相場が低い値となりました。
この結果は、一概に豊中市の戸建て需要が減少したことを示すものではありません。狭い物件から広い物件まで、さまざまなタイプの物件取引が行われたためです。

実際、4月の取引件数は半年平均の約11件よりも多い13件であり、取引はやや活発といえます。
また、13件のうち半数以上の9件が過去3ヵ月以内に成立していることからも、豊中市の戸建て需要が継続していることがわかります。

豊中市ではここ２０年近くにわたって、大規模共同住宅の新築・建て替えと、それらの物件への子供のいない２０歳～４０歳代前半の若年層の転入による人口増加が続いており、単身・２人世帯向け住居への需要が不動産市場を下支えしてきました。
加えて最近は、行政が「子育て支援の拡充」に乗り出し、ファミリー層の興味・関心も高まりつつあります。

4月の取引では、最も多くの取引が南部エリア（庄内・神崎川など）にある庄内駅周辺で行われました。
豊中市南部エリアは半世紀にわたって人口が減り続けている地域で、行政が「教育」の充実によるファミリー層への魅力向上を通じてのテコ入れを図っています。
庄内駅周辺は大阪駅まで約15分の距離にあり利便性が高いだけでなく、豊南市場やスーパーマーケットなどの商業施設が充実し、且つ教育施設も新設等しているため、ファミリー層からの人気が出てきました。
４月には豊中市で初めての小中一貫校である「庄内さくら学園」が開校したこともあり、4LDKのファミリー向け物件の取引が増えたと考えられます。

全体で振り返ると、4月の取引価格が下落した理由は土地面積や建物面積の狭小化だと考えられ、「子育て支援の拡充」等の取り組みを見るに市場は底堅く推移すると考えられますが、取引価格全体の水準が短期的に下がりつつある可能性も０ではありません。したがって、近々で物件を現金化する必要がある場合は、早めに売却を検討するのも一つの判断です。

以上のことから、豊中市の一戸建て需要は堅調で売り易い時期ですが、一方、短期的に価格が下落する可能性も考えられるため、現時点では「売り時」と判断しています。

参照：PR TIMES「豊中市初・施設一体型小中一貫の義務教育学校　庄内さくら学園が開校」

3-1-2.取引された一戸建ての立地・条件の解説

弊社が把握している、豊中市内で取引された一戸建ての立地・条件を分析すると、特に庄内駅を最寄りとする80～100㎡の4LDKで、3,000万円以下の、駅徒歩15分圏内に位置する物件が人気でした。

ただし、3,000万円以上の物件も取引が行われており、駅徒歩10分圏内など利便性の良さや普段の買い物のしやすさ、治安のよさといった付加価値に応じて買い手がつきやすい傾向にあります。

3-1-3.豊中市で一戸建てをお探しのお客様の事例

豊中市で一戸建てをお探しのお客様の事例を1つご紹介します。実際のニーズから売却相場の動向を具体的にイメージしてください。

服部天神駅は梅田駅まで約13分、大阪駅まで約14分という利便性の良さから、通勤・通学で阪急電鉄宝塚本線を利用する人も多く人気のあるエリアです。
スーパーや商店街などの商業施設が充実しているため、普段の買い物にも便利で、ファミリー層から人気があります。
実際に弊社で4月に取引された物件の中でも、服部天神駅周辺の物件は13件中3件の取引がありました。

豊中市では2,500～3,000万円の物件が特に人気があり、価格帯のニーズを満たせば比較的売れやすい傾向にあるといえるでしょう。

3-2.これからの推移の予測

詳細解説

• 豊中市では3,000万円以下の物件に人気があります。中でも過去10年間、2,500万円以下の物件への需要は持続しており、今後も継続すると予想されます。
• 駅徒歩15分圏内にある通勤・通学に便利な物件は特に人気があります。過去半年の間に、豊中駅から徒歩10分圏内にある100㎡の戸建て物件が5,000万円以上で取引された実績もあり、今後も周辺の物件は高値で売れる可能性があります。
• 但し、駅徒歩15分圏外の物件でも取引実績があり、「売れにくい」訳ではありません。
• 豊中駅の他、ファミリー層に人気のある庄内駅、服部天神駅周辺の物件も引き合いが比較的強まると考えられます。
• 今後も条件が揃えば3ヵ月以内の売却もできるでしょう。